飛行機の翼の前方の縁や、プロペラの羽根の前端などに雨粒などが衝突して凍結したり、
水蒸気が機体表面に昇華し氷が付着したものです。
翼面への着氷は推進力の低下や場合によっては失速の要因となり、エンジンや操舵面への
着氷は作動不能など引き起こす可能性があるといわれています。
大気中には水蒸気・雨粒・雪などの固相水分(気体・液体・個体)の3相すべての形で存在していますが、
着氷は水滴からの発生が多く、特に過冷却水滴(0℃以下でも水のままのもの)からの
割合が多くなっています。
着氷の起こりやすい大気状態は0℃〜−10℃の間で水分の多いところといわれていますが、
その他の気温や大気状態でも着氷の可能性は充分にありますので、過小評価は禁物です。
着氷にはいくつか種類があります。
1.雨氷(Clear Ice)…ガラス状の透明な氷
2.樹氷(Rime Ice)…乳白色の不透明な氷
3. 霜 (Frost) …水蒸気から昇華した氷晶
参考文献:「新訂 航空と気象ABC 」成山堂書店 加藤 喜美夫 著