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飛行機雲の成長

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このページは飛行機雲が巻雲や巻層雲などに変化・成長する様子を時系列に載せています。

飛行機雲は地震雲と間違われることがありますが、
飛行機雲が拡がったり、他の雲へ成長する過程を見間違えていることが多いように思います。

飛行機雲が上層雲(巻雲・巻層雲・巻積雲)などに
成長する様子をご紹介したいと思います。

さらに飛行機雲が観測された時の地上天気図と衛星画像を載せ、天気との関係を軽くコメントします。

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〜関東南部のおおまかな航空路〜


(少し見づらいですが、ほとんど西行きです)
(図中の星印はウェイポイント:航法上のポイントになる地点のことです)
路


〜関東南部で飛んでいるだいたいの飛行機の数〜


午前中の混雑する時間帯ではだいたい4〜5分間隔で飛行機が通過していきます。
これをみると空を飛んでいる飛行機がいかに多いかがわかります。

ある高度での飛行機雲が出る気象条件になったとき、その何割かが飛行機雲の発生に繋がると推測できます。
(画像はフライトレーダー24から抜粋 2016.2/20 9:20ころの様子)
(注:同一高度ではありません。航空管制により飛行機の上下左右の安全幅をとってあります。)
フライトR


東日本〜西日本付近の運航の様子(2016.3/19 13:15頃)
かなり飛行機が飛んでいるのがわかります。
低気圧が東進してくる前の巻雲や巻層雲といった雲の中に何本もの飛行機雲が現れるのも納得できます。
フライトレーダー24画像




〜関東南部(東京・神奈川)での観測写真〜

2013.9/18 6:20〜6:45(25分間の撮影)

6:20  東西にはしる立派な飛行機雲。なかなかお目にかかれません。西行きの飛行機の仕業です。
早朝にこの地域では一本だけ飛行機雲がくっきり出ることがあります。
今度、時間があれば航空無線などで調べて高度を解析したいと思ってる。
飛行機雲01飛行機雲02

6:30 飛行機雲の幅が太くなってきています。西側から巻雲が押し寄せてきています。
飛行機雲03飛行機雲


6:45 だいぶ幅が広くなり、上空の風の影響で東方向へ移動しています。もはや飛行機雲だったとは思えないほど巻雲に変化しています。
巻雲は東へとどんどん流れてきています。
飛行機雲飛行機雲04

6時の速報地上天気図(気象庁発表のもの一部抜粋)。高気圧圏内です。
速報


ここで、この飛行機雲が出た日の気象庁発表の午前9時(世界時00Z)の地上の天気図をみてみます。(一部抜粋)
地上天気図
東京は巻雲が出ています。(かぎ状の記号があります)そして北よりの風。
関東からみてちょっと北に偏った高気圧だけど、ひろく東に張り出す感じで覆っているので全国的に晴れ。

高気圧圏内での観測なので、飛行機雲と一緒に出ていた巻雲は晴天巻雲だと思われます。

そこで、雲の発生がどこらへんにあったのか、エマグラムでみてみると。。。
エマグラム
ワイオミング大学のデータから一部抜粋。
10000m前後に気温と露点温度が近づいたところがあるので上層雲が発生していてもおかしくない感じ。
こういう湿っている時に飛行機雲が出やすいです。

あとはだいたい乾燥(雲の発生はほとんどなし)。
3000mくらいまでは下層の高気圧圏の風系で、それより上空は南西寄りの上空の夏の高気圧の風系だと思われます。


ここからは巻雲発生の要因を天気図で確認。


ここで巻雲高度の気象庁発表の300hPa実況天気図(一部抜粋)をみてみると。。。
300
関東南部は上空の夏の高気圧の縁あたりに位置しています。
経験則だけど、高気圧の縁とか周辺部に上層雲が出やすい。

ここで、関東付近の衛星画像を動画でみてみると、上空の強風域に沿って巻雲が発生して流れていく様子がわかります。
赤外画像なのでちょっとわかりにくいんだけどね。
巻雲はこの高気圧周辺の流れの中で出来たようです。


tenki.jp(過去の衛星赤外画像2013.9/18)



2014.6/14 17:15〜17:30(15分間の撮影)

17:15  飛行機雲が発生してから少し時間が経ったものなので雲の幅が少し太くなっています。
右の写真は同時刻のものを拡大したもの。うろこ状になっていて巻積雲のようにみえます。
飛行機雲の上の部分には濃い巻雲が出ています。下には積雲と巻雲が出ています。
飛行機雲01飛行機雲



17:25 飛行機雲はどんどん太くなっていき上層雲に変化していってます。写真では、その上のほうにある濃い巻雲のところに
飛行機が通って飛行機雲が発生し、風で流されて巻雲になっています。

いつまでも出ている下の飛行機雲より細い感じで発生しており、高いところを飛んでいました。
上空にいくほど風が強くなるので風に流される速度も早くなって、拡がりが下の飛行機雲より大きいのではと推測します。

(こういう時、航空無線を聞きながら観測すればおおまかな高度がわかると思います。
この時、管制官とのやりとりに使われる高度はフライトレベル(標準大気で補正された値)なので
実況値に直す必要があるのですが、だいたいの目安にはなると思います。)

濃い巻雲と飛行機雲から変化した巻雲が重なって二重雲になっています。
飛行機雲

17:30 写真下の飛行機雲であったであろう雲は今は巻積雲と巻雲のあいのこのような雲になって、ほとんど普通の上層雲になっています。
飛行機雲

18時の気象庁発表の速報地上天気図(一部抜粋)
梅雨前線は日本列島からかなり離れて、西日本から東日本は天気が良い感じ。
速報

2014.6/14 21時の気象庁発表の地上実況天気図(一部抜粋)
東京は高積雲系と巻雲と下層雲が出てたようです。
実況

上層雲高度の300hPa実況天気図(気象庁発表21時)(一部抜粋)。
強風域を緑で描きました。
経験的に、上空の強風域の南側に上層雲ができやすいです。
300

強風域が列島付近にあるので、ジェット気流の位置を知りたい。。ので。。。
鉛直断面図(気象庁発表21時(世界時12Z))(一部抜粋)をみてみると。。
断面図
館野上空にジェット核(薄い青色をつけました)があって、鉛直シアーも若干ある(青の等風速線)。
ピンクで囲ったところは湿っているところをマーカーしました。
上空の転移層ははっきりみられない。(中層高度では若干みられる)
ジェット気流周辺で発生した上層雲だと思われます。

ということで上空は湿っていたので飛行機雲が発生しやすい条件だったと思われます。


巻雲などの上層雲発生の最終確認として、ここで衛星画像(赤外)をみてみると。。。(tenki.jpから)
衛星画像
日本の南岸にジェット気流の南側に現れるトランスバースラインがみられます。上層雲の発生はその一部ではと思われます。

(トランスバースライン:衛星雲画像の用語で風の流れの方向に直角に波状に並ぶ巻雲の細長い雲列のこと。主にジェット気流由来。)

衛星雲画像の雲パターンが詳しく書いてあるPDFを見つけました↓興味ある方はどうぞ。 
「気象衛星画像の解析と利用」から一部PDF(H12年)

梅雨前線由来の雲かなと思ったけど、案外そうでもない。
この上層雲は本体の雲ではないけど、ジェット気流が湿った空気を送ってきたみたいです。

飛行機雲の発生は上層が湿っているときに現れやすいです。

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〜飛行機雲発生と天気の関係〜


すぐに消えない飛行機雲が発生した次の日は雨が降ったり曇りの日が多く、天気下り坂の指標となっています。
本当にそうなっているのか、天気図と衛星雲画像を通してみてみようと思います。
(使用データ:気象庁発表の速報天気図、tenki.jpの衛星画像)



関東南部(東京・神奈川)で撮影。

2013.11/14 17:15
飛行機雲
衛星画像天気図
移動性高気圧が東に抜け、西側にある気圧の谷からの雲が上空の北西寄りの風にのって上層雲が先行して流れてきています。
衛星雲画像でみるとトランスバースラインとなっているのがわかります。かぎ状の濃い巻雲が並ぶのは
衛星でみると波状(例えばトランスバースラインの雲)になっていることが多いです。
tenki.jp(
過去の衛星赤外画像2013.11/14)

このように上層に水蒸気がある状況なので飛行機雲が現れたと思われます。
写真の雲は巻雲と高い高度の層積雲。写真上のほうに見える飛行機雲はもつれ巻雲と交差していて、上空の風の影響で曲がっています。
次の日、羽田空港では午後に弱い雨となりました。

(トランスバースライン:衛星雲画像の用語で風の流れの方向に直角に波状に並ぶ巻雲の細長い雲列のこと。主にジェット気流由来。)


2014.1/25 6:30
飛行機雲
衛星画像天気図
高気圧が東にぬけて西側の気圧の谷からの湿った空気が上空の風で運ばれ、先行して上層雲が出ていると思われます。
さらに山脈にぶつかることで定常波が生まれ、この上層雲(写真では巻層雲の波状雲になってます)は
地形性の巻雲も混ざっているように見えます。
地形性巻雲は衛星画像でみると山の風下側に濃い巻雲の筋や帯が確認されるのですが、
地上から見ると雲底が波状雲になっていたり、雲自体が波状になっていることが多いです。


(地形性巻雲:衛星雲画像の用語で、山脈の風下側に発生する動かないように見える巻雲のこと)


巻層雲の波状雲は天気下り坂の指標となっています。波状雲は密度の違う空気がぶつかったり
(例:上空の前線面)
その空気同士の摩擦などで出来ます。
そして飛行機雲は上空の風の影響で曲がりくねっています。
地形性巻雲ができるくらい上空は強風かつ、波状雲でも示しているように乾燥空気との摩擦も起こっているようですので、
乱流などで飛行機雲は不規則に棚引くことがあります。

次の日、日本海で発達した前線を伴った低気圧が南下し、羽田空港は強風が吹き、まとまった雨になりました。



2014.2/19 7:00
飛行機雲
衛星画像天気図

日本の南にある前線を伴った低気圧の先端部分の雲が上層雲となって日本の南岸部にかかってきています。
この雲は南側ほど若干トランスバースバンドの様相をしています。
(トランスバースバンド:衛星雲画像の用語で風の流れの方向に直角に波状に並ぶ巻雲の列のこと。主にジェット気流由来)
その上層雲の中で飛行機雲が発生しています。(上空の水蒸気が豊富)

写真のCiは巻雲の略号です。トランスバースバンドの発生の時は、地上から見ると放射状巻雲になっていることが多いです。
トランスバースバンドはジェット気流の南側に発生しやすく、比較的よくみられます。
前線を伴った低気圧はこのまま東進し、関東地方では曇りベースで天気が推移して次の日雨は降りませんでした。



2014.3/8 17:00
飛行機雲と放射状巻雲
衛星画像天気図
ゆるやかな冬型ですが、東シナ海から前線を伴った低気圧が近づいてきています。
その気圧の谷からの雲が先行して上層雲が関東付近にかかってきています。
動画でみてみると若干地形性の巻雲も含まれているように見えます。
(地形性巻雲:衛星雲画像の用語で、山脈の風下側に発生する動かないように見える巻雲のこと)

その上層雲のなかでの飛行機雲の発生となっています。

写真は巻雲の放射状雲が写真下方に出ています。地上から見るこのような雲は衛星雲画像でみるトランスバースラインによくみられますが、
上の衛星画像でははっきりとは確認できません。18時以降になると、地形性巻雲とトランスバースラインの雲が
確認されましたので、そのはしりの雲だと思われます。
tenki.jp
過去の衛星赤外画像2014.3/8
(トランスバースライン:衛星雲画像の用語で風の流れの方向に直角に波状に並ぶ巻雲の細長い雲列のこと。主にジェット気流由来。)

次の日は雨も降らず、曇りベースで推移しましたが、夜に寒気が入りました。




2014.6/15 18:30
飛行機雲天気図

衛星画像衛星画像
南海上の前線は日本列島から離れており、南側の沿岸部ではその前線からの雲の先端である上層雲がかかっています。
衛星画像ではジェット気流下層の上空の前線にできるトランスバースラインがしっかり観測されてます。
(トランスバースライン:衛星雲画像の用語で風の流れの方向に直角に波状に並ぶ巻雲の細長い雲列のこと。主にジェット気流由来。)

そのような中での飛行機雲の発生となってますが、飛行機雲が塔状雲となって上の方にムクムクと雲が成長しています。
上昇流が顕著だと思われます。

次の日は曇りベースの天気でした。



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2014.7/12 6:30
飛行機雲
衛星画像衛星画像
天気図
前線が抜けた後から大陸から伸びる梅雨前線が西日本へ迫っている気圧配置です。
日本付近はおおむね高気圧域に入っています。
上層では東北付近にジェット気流があり、上空の前線(転移層)が確認されました。
上層での関東付近は風向・風速ともに西風・55ノット前後というように鉛直方向にほぼ一定であり、
衛星雲画像で見られるように地形性巻雲の発生しやすい状況になっています。

雲自体は梅雨前線からのびる雲の端にあたる上層雲なのですが、
その雲が山岳にぶつかり地形性巻雲になり、
さらにその南側ではトランスバースライン(この場合、規模からいってトランスバースバンドに近い)となっています。

関東付近に発生しているのは地形性巻雲だと思われます。

(地形性巻雲:衛星雲画像の用語で、山脈の風下側に発生する動かないように見える巻雲のこと)
(トランスバースライン:衛星雲画像の用語で風の流れの方向に直角に波状に並ぶ巻雲の細長い雲列のこと。主にジェット気流由来。)

そのような湿っている中での飛行機雲の発生となっていますので、いつまでも形が残っています。



写真の下のほうにスッとのびる雲、レンズ雲があります。
この雲はしばしば風が強い時や、地形性巻雲の下層に現れる地形由来で発生する雲ですので、
今回の場合は、上層の強風により地形性巻雲と共に発生したと思われます。

そして写真の上層雲(巻層雲)は波状雲になっていますが、これは地形性巻雲の雲底付近で波状になりやすい傾向があるので、
今回も波状になったと考えています。(地形性巻雲の下層の乾燥空気との摩擦が一因だと思われます。)

次の日は梅雨前線の東進により、関東では午後に雨が降りました。


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2014.7/29 18:30
飛行機雲天気図

衛星画像衛星画像
梅雨明け直後の気圧配置となっております。
(関東では7/21あたりで夏の高気圧が優勢となって梅雨明けとなりましたが台風通過などで天気が不安定の日が続いた感じです。)

衛星雲画像では日本海にまとまりのある雲と東北から関東付近に上層雲がかかっています。

地上の気圧配置では高気圧に覆われていますが、日本海には上空にちょっとした
寒気が入ってきており、東北から関東付近では北西寄りの強めの風が吹いていたことから
寒気周辺の上層雲がその風に乗って南下してきたと考えられます。

まだまだ梅雨の名残が上空に残っているという感じですので、上空も湿っていたことから
飛行機雲の発生につながったと思われます。

写真の飛行機雲はムクムクと巻雲の塔状雲のようになっていて珍しい形をしています。
やはり寒気の影響で少し不安定になっているようです。

次の日は高気圧に覆われておおむね晴れました。



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以上のことから、飛行機雲が出た次の日は曇りか雨になる確率は高そうということがわかりました。


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〜これも飛行機雲〜

有刺鉄線のような飛行機雲
飛行機雲
飛行機は凄い勢いで飛んでいますので、後方乱気流を発生させます。
その乱流が雲の形に影響しているのかもしれません。

〜消滅飛行機雲〜
消滅飛行機雲
飛行機が通った後、雲が消失するときがあります。



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